枕元でそれは震えた。前夜、むすめさんの寝かし付けに失敗して一緒に寝てしまった私はそれを携帯の目覚まし機能だと思い、枕元の携帯を沈黙させた。携帯を持って寝室を出て窓を見ると朝の気配すらない。
二つ折りの携帯を開き時間を確認する・・午前3時。そして待ち受け画面には不在の文字。どうせ間違いだろうとたかをくくりながら着信履歴を開く、その不在着信は小学校以来の友人の名が記されていた。怪訝に思ったその時、携帯はまた振動を始めた。

先刻、不在着信履歴に残った名前と同じ名前が表示されている。 こんな夜中にかかってくる電話はあまりよい話ではない。訃報か?そんな事を考えながら通話ボタンを押した。