PCも直ったし続き

女はAの部屋、とりわけ本棚を集中的に物色し始めた。
本棚は私の背後にあり、私と本棚の隙間は場所によっては無い。私は本棚に寄りかかって座っていたのだから。
本棚の物色を進めるうちに、どうしても物色できない場所、すなわち、私の背後部分を見る為に女は私を押しのけた。
「ババア(この時点で名前は知らない)、フラフラしてんぢゃねぇ!非常識極まりねえ事続けてると絞めるぞゴルァ。」
とりあえず、罵倒しておく。
しかし女は意に介すこともなく、さらに本棚に見知った名前を見つけたことでテンションが上がった。(あとで聞いた話だが、出版関係者らしい。)
私が背後にいることは既に頭から抜け落ちていたであろう女は、やおら立ち上がり振り向き様に私の背中に膝蹴りを入れ、バランスを崩しテーブル、いや鍋に向かって倒れていった。

大惨事である。とりわけAとCは鍋物の被害をまともに受けた。
出汁まみれになったジーンズ、手の甲に落ちてきた白滝やはんぺん。

「いた〜い」女は体勢を整えた後、被害の大きい二人を見て笑い出した、悪びれもせず。
二人に対しての謝罪もないまま、私に対し「そんなトコに座っているから悪いのよ。」


ブチッ!

私は女の髪の毛を引っ掴み、玄関から蹴り出した。
形容ではなく本当に蹴り出した。
女は廊下の手摺りに突っ込んでいった。
「呼ばれもしねぇのにノコノコ来やがって、調子にのってんぢゃねぇぞババア。」

バン!扉は閉ざされた。
振り向いた私に片付けという現実が待っていた。

私の素晴らしい行動に思考停止中のBに対して荷物を持って外に転がっている女の所に行くよう促したあと、日付が変わる頃まで部屋の片付けをする三人のオヤヂ達が残された。
どっとはらい